無線LANの導入範囲を広げる企業の話をよく耳にする。以前は、ノートパソコンやタブレット端末を社内外で使う限られた従業員向けだったり、会議室や打ち合わせスペースで臨時で使ったりするためだった。最近では、業務用パソコンをすべてノートタイプに切り替えて、有線LAN自体をやめたり、縮小したりする企業が増えている。
無線LANでは、「無線LANアクセスポイント(AP)」と、APを統合管理する「無線LANコントローラー▼」の二つに分けて調査した。特に無線LANコントローラーは、多数のAPを利用するケースで効果を発揮する。無線LANの範囲拡大で導入するケースが増えている可能性がある。
APは2年連続でバッファロー
使っているAPを回答した人と「使っていない」と回答した人の比率を見ると、使っているAPを回答した人は67.0%。3分2の企業が無線LANを導入しているとわかった。前回の調査では、68.8%だったのでほとんど変わっていない。
APのベンダーの1位は、前回と同じくバッファローだった(図3-1)。使用率は42.5%で、2位以下を20ポイント以上引き離している。前回調査の使用率が33.6%だったので、約9ポイント増加した。
バッファローを選択した理由を見ると、「価格が安い」という回答が77.7%だった。AP全体では「価格が安い」は46.4%なので、バッファローの比率は30ポイント以上も高い。バッファローの「価格が安い」以外の理由はすべて、AP全体の回答と7ポイント以下の差だった。価格を重視するユーザーの多くが、バッファロー製品を選んだということだろう。
2位以下は、シスコシステムズ、NEC/NECプラットフォームズ、アイ・オー・データ機器が続く。5位のアルバネットワークスまでは、前回の調査と順位は変わらず、使用率は各社とも数ポイント伸びた。
6位と7位に入ったヤマハとアライドテレシスは、前回調査では5%未満だったので圏外としたが、今回初めて5%を超え、ランクインした。ヤマハは2013年にAP市場へ初参入し、ユーザーを増やしているようだ。
APで個別に設定する電波出力やチャネル管理、アクセス制限、ローミングなどを一括して制御する機器。