「アドオン開発は、プロジェクト期間の長期化やバージョンアップの阻害要因となる」といった認識は、ITエンジニアだけでなく、ユーザー企業の間にも浸透してきた。その結果、できるだけアドオン開発を抑えて導入しようとする事例が増えている。ITエンジニアにも経験値が蓄積され、パッケージが持つ処理ロジックに影響を与えるようなリスクが高いアドオンは敬遠する傾向にある。

 アドオンの開発自体は減少傾向にあるものの、大幅には減っていない。プロジェクト費用の内訳を見ると、パッケージそのものの処理ロジックに手を入れるようなアドオン開発は減っているが、社内外の他システムと連携するためのインタフェースの役割を持つアドオンの開発は増加傾向にある(図5)。企業のIT化が進んだ結果、取引先との受発注データのEDI(電子データ交換)による連携や、EC(電子商取引)やCRM(顧客関係管理)、倉庫管理システムといった周辺システムとの連携が必要になってきているからだ。

図5●アドオン開発の新潮流
以前は、業務機能に対するアドオン開発が大半を占めていた。新潮流では開発の総量は大幅に減少していないが、システム間インタフェース(I/F)の割合が大きくなるなどその内訳が変化している
[画像のクリックで拡大表示]

 インタフェース機能を持つアドオンを開発する際には、取引先の情報システム部門や、ECやCRMといった他システムの保守を担当するITベンダーと協業しながら開発する。仕様の検討やテストなど各工程で連携先システムとの調整が必要になる。ITエンジニアから見た場合、アドオン開発の難易度は高くなっている。

阿部 武史(あべ たけし)
大手メーカーで社内SE、大手SIベンダーでERPコンサルタントを経験し、スカイライトコンサルティングに入社。大手からベンチャーまで、幅広い企業に対するコンサルティングを提供。経営管理領域を中心に、IT戦略立案から全社的な経営改革、業績管理制度の構築、業務改革、システム導入、新規事業の立ち上げなどのプロジェクトに携わる。中小企業診断士。