新潮流3 導入目的は「業務効率化以外」が主
パッケージ導入、七つの新潮流
阿部 武史=スカイライト コンサルティング 経営管理サービスグループ シニアマネジャー
出典:日経SYSTEMS,2016年8月号
p.49
(記事は執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります)
最近の基幹系領域でのパッケージ導入プロジェクトでは、現行システムを単にリプレースするケースは少ない。何らかの導入目的(テーマ)を設定しているプロジェクトが一般的になっている(図2)。
図2●導入目的が高度化
以前は手作業をシステムに置き換えることで、業務効率化(工数削減)を目的とするプロジェクトが多かった。最近は、より経営的な視点で高度な目的を掲げるプロジェクトが多くなっている
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目的は、経営情報の可視化やKPI(重要評価指標)の取得、決算早期化など経営管理の強化を目指したものが多い。業務面では、グローバルでの業務・システム統合による業務標準化や統合化されたSCM(サプライチェーンマネジメント)の実現などがよくある。2000年代中ごろまでのパッケージ導入の主な目的だった業務効率化と比べ、より経営的な視点で難易度の高いものになっている。
プロジェクトの目的が高度化した結果、ERPパッケージを利用するプロジェクトでは、フルモジュールでの導入が増えている。決算早期化を実現するには、経理の決算処理だけでなく売り上げ処理や検収処理の情報をタイムリーに収集する必要がある。会計モジュールだけの導入では、こうした要件は満たせない。販売管理や購買管理を含めたフルモジュールを導入して初めて、目的を達成できる。
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