「業務パッケージは必要な機能のみを利用すればいい。パッケージの導入費用が高くなったり、稼働後に塩漬けになったりする原因は、パッケージにすべて詰め込もうとするからだ」。こうした考えのもと、日本マイクロソフトのERP(統合基幹業務)パッケージ「Dynamics AX」の導入を進めているのが、スープ専門店「Soup Stock Tokyo」などを展開するスマイルズである。
同社は今、会計、販売、人事など基幹系システムの再構築に取り組んでいる。その第1弾として2016年2月に、会計と販売管理システムを稼働開始した。ERPパッケージの導入に要した期間は8カ月だった。
スマイルズがDynamics AXの導入に際して掲げたのが冒頭の方針だ。現在、Dynamics AXで会計、販売管理の業務処理を実施するものの、店舗で利用するPOSや発注などはDynamics AXとは別に、自社開発のアプリケーションを利用している(図1)。
これらのシステム連携のために、データウエアハウス(DWH)を日本マイクロソフトのクラウドサービス「Microsoft Azure」上に構築し、Dynamics AXで処理するデータをすべてDWHに取り込んでいる。これを中核にして各システムからWebAPI経由でデータを利用する。粒度の小さいサービスを組み合わせてアプリケーションを開発する手法「マイクロサービス」に近い形だ。