システムを「小さく」作る設計手法であるマイクロサービスを企業システム分野で採用する機運が高まっている。前回(業務分野でマイクロサービス採用の機運高まる、狙いは「変更の速さ」)は、マイクロサービスの利点と課題を中心に解説した。

 マイクロサービスを採用すると、システム変更の影響が小さくなり、改修しやすくなるメリットが得られる一方、小さなアプリ(サービス)の集まりとしてシステムを実現するので、そのぶん運用の手間がかかる。

 業務システムをマイクロサービス型で実現する場合は、運用を効率化するためにツールを使い倒す姿勢が欠かせない。今回は、作業効率化ツールと使い方を中心に見ていく。

CIツールは「共有」が前提

 作業効率化ツールとして、まずCI(継続的インテグレーション)ツールが挙げられる。CIはアプリの構築とテストを繰り返す開発手法のことで、CIツールはこれらの作業を自動化するものだ。OSS(オープンソースソフトウエア)の「Jenkins」や豪アトラシアンが提供する「Bamboo」などが知られている。

 CIツールを一人の開発者が使っても、効果はあまり期待できない。CIツールを使って作業を自動化するためには、自動化のためのスクリプトを作成する必要があるが、一度スクリプトを作ってしまえば、ツールを使わなくても自動で構築やテストが可能になる。

 CIツールを使って開発作業を効率化したいのであれば、ツールを共用のサーバーに置くなどして、開発を担当する複数チームで共有して使うのが望ましい。

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