Part1でSDNは企業LANへの導入が進んでいると紹介した。さらにWANにも広がりを見せている。こうしたSDNの進化をITの仮想化の観点で見てみよう(図3-1)。
CPUやメモリーといったリソースの効率的な利用やサービスの迅速な立ち上げのために、まずサーバーが仮想化されるようになった。こうした環境では、仮想サーバーを増やしたり別の物理サーバーに移したりしやすい。しかし、従来の階層化されたネットワークでは、仮想サーバーの変更に伴うネットワーク機器の設定変更や増設に大きな手間がかかる。
そこで、複数のスイッチを複数のパスでつなぎ、仮想的でフラットなネットワークとして扱う「イーサネットファブリック」が登場した。このファブリックで、ネットワーク機器を集中管理できるSDNの普及が進んだ▼。
SDNはさらに、WANの仮想化にも使われ始めた。例えば、本社と各拠点に設置した機器を使ってトンネリング▼を行い、“集中管理できる仮想的な社内WAN”を実現する「SD-WAN」という技術が登場した。また通信事業者や大手Webサービス事業者は、OpenFlowスイッチを使って仮想WANを構築している。
▼SDNの普及が進んだ
同時にストレージの仮想化であるSDS(Software Defined Storage)も普及した。
同時にストレージの仮想化であるSDS(Software Defined Storage)も普及した。
▼トンネリング
物理的なネットワークの上に、あたかもトンネルのように仮想的な回線を確立すること。
物理的なネットワークの上に、あたかもトンネルのように仮想的な回線を確立すること。