2016年7月27日に東京・目黒で開催された「ITインフラSummit 2016夏」。本稿では、インフラ活用の先進ユーザーや、インフラ関連ベンダーの専門家による多数の講演のうち、パブリッククラウドに関するものを中心にレビューした。
特別講演では、バーコードやQRコード、RFID(無線ICタグ)などの関連製品・サービスを手がけるサトーが、戦略事業として展開中のIoTを活用した保守サービスを支えるインフラについて説明。続くソリューション講演では、NTTコミュニケーションズ、ニフティ、ビットアイル・エクイニクスの3社が、最新のソリューションとその活用法について、それぞれ解説した。
特別講演:サトー
IoTを活用した遠隔保守サービスの全貌を披露
特別講演に登壇したサトーの長尾博史氏は、同社が2015年8月に開始したIoT活用の保守サービス「サトーオンラインサービス(SOS)」の詳細を明かした。顧客のオフィスなどで稼働する同社のラベルプリンターに搭載されたセンサーのデータを、遠隔地から監視するものだ。
同社は自動認識技術を中核に据え事業を展開しており、バーコードやQRコード、RFID(無線ICタグ)などに関連する製品やサービスを手がける。2012年度から3年間の中期経営計画では、IoT/M2Mを活用したサービスの提供を掲げており、これを具現化したものがSOSになる。
SOSでは、インターネットに接続されたラベルプリンターの稼働状況を、同社のサポートセンターで24時間365日遠隔監視し、問題が起きそうな箇所を事前に見つけて必要なサポートを行う。長尾氏はそのコンセプトを「バーチャル・カスタマー・エンジニアを、お客さまのそばに」と表現する。
ラベルプリンターとは、様々な商品の外箱に貼られているバーコードなどのタグを印刷するプリンターである。ラベルプリンターが故障した場合は、通常、コールセンターが顧客からの連絡を受けて解決策を提示するという段取りになる。部品交換や修理が必要な場合は、同社のカスタマーエンジニア(CE)が駆けつける。この場合、CEが到着するまでの間、顧客の業務が止まることになる。
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