ひらやま・しのぶ氏●1983年4月野村総合研究所入社。SEやプロジェクトマネジャーとして、野村証券向けシステムの構築などに携わる。1999年にCSK(現SCSK)、2004年みずほ証券に入社。2011年楽天証券に転じ、2012年に執行役員情報システム本部長。2014年3月から現職。
ひらやま・しのぶ氏●1983年4月野村総合研究所入社。SEやプロジェクトマネジャーとして、野村証券向けシステムの構築などに携わる。1999年にCSK(現SCSK)、2004年みずほ証券に入社。2011年楽天証券に転じ、2012年に執行役員情報システム本部長。2014年3月から現職。
写真撮影:新関 雅士

 金融機関なのでFinTechは本業そのもの。ブロックチェーン技術は、価値移転を安全にスムーズに行ううえで極めて有用な技術で、多様な用途があるでしょう。

 そのほかに優先順位の高いテーマとしてはまず、サービスのスマホ対応が挙げられます。サービスによって差はありますが、スマホによる情報閲覧や取引の比率は、既に全体の4~6割を占めています。スマホだけを使うお客様も増えていて、スマホファーストはもちろん、スマホネイティブに移行していかなければいけません。

 逆にタブレットへの取り組みにはあまり力を入れていません。スマホにも大きなサイズの機種が増え、タブレットとの境目があいまいになったと感じています。

データで投資方針の変化つかむ

 ビッグデータ活用も重要なテーマです。お客様のライフサイクルを可視化するデータ分析に力を入れていきます。お客様のライフイベント、例えば結婚や出産、住宅購入などによって資金需要が生じ、投資方針が変わることがあります。また若いうちは堅実に毎月1万円ずつ投信を購入していたお客様が、年を経るごとに株やFX(外国為替証拠金取引)などにシフトすることもあります。そうした変化を分析で察知し、別の金融商品をメールや電話で提案するといった仕組み作りを検討しています。

 これはマーケティング面だけでなく、法令順守上も必要なのです。金融商品取引法では、お客様が望まない商品を勧めることを「不招請ふしょうせい勧誘」として禁止しています。投資方針が変わったらそれに合わせた提案をしなくてはいけません。その変化を見定めるうえでデータ分析が重要なのです。

 逆に投資行動が急に変わったときには、なりすましなどの不正行為が生じている可能性もあります。これもデータで検知してお客様に確認できるようにしていきます。

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