かとう・きょうじ氏●1978年大和ハウス工業に入社。経理部門からキャリアをスタートさせ、利用部門の立場で会計システムの再構築プロジェクトなどに参画。2011年4月から現職。
かとう・きょうじ氏●1978年大和ハウス工業に入社。経理部門からキャリアをスタートさせ、利用部門の立場で会計システムの再構築プロジェクトなどに参画。2011年4月から現職。
写真撮影:新関 雅士

 デジタル化については、第3次中期経営計画を作成した2012年ごろから、基幹系を中心に整備してきました。ワークスタイルの変革もおおむね手掛けてきましたが、コア事業であるものづくり関連、例えば3次元CADやBIM(ビルディング・インフォメーション・モデリング)など建築関連のシステムは、うまくキャッチアップできていないのではと感じていました。

 当社は工業化住宅を初めて造り、住宅の工業化を推進してきたという意味でイノベーターだと自負しています。工業化住宅の製造は、「この部品は自社で生産する」「この部品はメーカーから調達して現場で組み付ける」「こういう現場の業務はどこどこにお願いする」といったプロセスの集合体です。そうしたモジュール構成やプロセスについては、我々もはるか昔からBIMと似た考え方を採っていると思います。

 ただ、最新のBIMや3次元CADの技術をそこにあてはめて、生産性や品質を上げるところまでは、うまく捉えきれていなかった。そうした反省を踏まえ、取り組みを始めています。

 もう1つはお客様とのコミュニケーション改革です。ものづくりは、お客様が望む住宅を、品質よく届けるための手続きです。お客様が望むものをいかに実現するかは、コミュニケーションの世界になってくるわけです。営業や設計、コーディネーターなどの担当者が、お客様と一緒に会話をしながら「こういうお考えですね」とまとめ、プロとして提案する形です。

 しかし私たちがビジネスとして、スケジュールに沿って進めていくと、お客様の気持ちとスピード感がずれるときがあります。より速く、より良い住宅を提供するのは根本的には正しいことですが、お客様は建てた後の人生を思い浮かべつつ、「自分でしっかり考えたい」「もっと勉強したい」「家づくりを楽しみたい」といった気持ちを抱くこともあります。

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