2016年2月、中堅システムインテグレーターでプロジェクトマネジャーを務める大島正行氏(仮名)は、思案に暮れていた。あるコンビニチェーンの新システム開発プロジェクトが、なかなか前に進まなかったからだ(図1)。

図1●モダンPMが通用しない
図1●モダンPMが通用しない
コンビニ向けゴミ収集管理システムの開発を手掛けた大島正行氏(仮名)は、従来のプロジェクトマネジメント(PM)手法が通用しない現実を目の当たりにした
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 このシステムは、コンビニ店舗、調理会社、流通会社で発生する賞味期限切れの商品・食材について、廃棄時の品目や数量、日時といった情報を管理するもの。システム基盤には、パブリッククラウドの採用が決まっていた。

 プロジェクトは、ある事件をきっかけに難題に直面した。事件とは、プロジェクト計画中に発生した、いわゆる“ココイチ問題”だ。カレーチェーンのCoCo壱番屋をめぐる不正転売事件を受け、上層部のコンプライアンス意識が急に高まったのだ。

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