ストレージ仮想化がポイント
HCの名にある「コンバージド」とは、統合や集約といった意味の単語。文字通り、ITインフラの構成要素を高密度に統合・集約した製品を指す。
もっとも、「コンバージドシステム」と呼ばれる製品は以前からある。コンバージドシステムがラック1基程度の大型機にサーバーやストレージを集約した製品であるのに対して、HCの最小構成単位は2U程度の薄型きょう体。「ハイパー」という呼び名が表す通り、さらに統合・集約の度合いを増した。
HCシステムの中身はIAサーバーやHDD/SSDなどの汎用品だ。高い拡張性や運用管理性を実現する上で不可欠なのが、仮想ストレージ管理ソフトである。SDS(ソフトウエア・ディファインド・ストレージ)の機能を実現する。
各ノードで動作する仮想マシンがデータを書き込むとき、仮想ストレージ管理ソフトの制御で、自ノードにデータを書き込むのと同時に別のノードにもネットワーク経由で同じデータを書き込む。これにより、一部のデータが欠損しても他のノードに保存してあるデータで補ったり、重複排除や圧縮で効率を高めたりできる。ノードを追加すれば、システム全体の処理能力やストレージ容量を簡単に増やせる。
高密度・高集積のハード本体と、仮想ストレージ管理ソフトによる高い柔軟性。これらの利点を併せ持つことで、HCは既存のハード製品に比べてより小さな単位でITインフラを導入したり、負荷の増大に応じてきめ細かく処理能力を増やしたりできる。