米マイクロソフトが送り出したWindows 10 Mobileは、数多くの先進機能が盛り込まれ、エンタープライズモバイル市場におけるWindowsプラットフォームの存在感を大いに押し上げることが見込まれる。ただし、その価値を最大限に引き出すためには、クライアント端末の配備計画全般に関わる見直しが求められそうだ。今回は、企業ユーザーにとってのWindows 10 Mobile登場のインパクトと、同OSによってもたらされる「モバイルファースト」の意義について考察する。

成熟期に入った企業のスマートデバイス需要

 まずは、国内企業におけるモバイルコンピューティングへの投資意欲、および導入状況の現状を簡単に確認しておきたい。

 ITRが毎年実施しているIT投資動向調査では、製品・サービス分野への国内企業の投資意欲を定点観測している。2015年9月に実施した直近の調査でも、スマートデバイス(スマートフォンおよびタブレット端末)への投資意欲は依然として高いレベルを維持している。主だった25項目について、その投資意欲を投資増減指数(導入済み企業が2016年度に投資額を伸ばす度合い)と新規導入可能性(2016年度に新規導入が見込まれる企業の割合)でプロットしたところ、「タブレット端末」と「スマートフォン」は、投資増減指数で上位2つを占めた(図1)。サーバーシステムなど同指数がマイナスを示す項目も見られる中、スマートデバイスは、クラウド、仮想化、セキュリティといった分野と並んで、IT市場の牽引役となっていることが見てとれる。

図1●製品/サービス分野の投資意欲
図1●製品/サービス分野の投資意欲
主だった25 項目について、その投資意欲を投資増減指数(導入済み企業が 2016年度に投資額を伸ばす度合い)と新規導入可能性(2016年度に新規導入が見込まれる企業の割合)でプロットした。
[画像のクリックで拡大表示]

この先は日経クロステック Active会員の登録が必要です

日経クロステック Activeは、IT/製造/建設各分野にかかわる企業向け製品・サービスについて、選択や導入を支援する情報サイトです。製品・サービス情報、導入事例などのコンテンツを多数掲載しています。初めてご覧になる際には、会員登録(無料)をお願いいたします。