モバイル系のノートPCや2in1デバイスを中心に「USB Type-C」の採用例が増えている。USB規格で採用された新しいプラグ(オス側コネクター)、レセプタクル(いわゆるメス側コネクターのこと)、およびケーブルの仕様だ。単なるUSBの新コネクターというだけでなく、様々な用途に対応できるような拡張を想定して設計されている点に注目だ。
小さく薄く、リバーシブルになった
まず物理的な仕様を確認しておこう。レセプタクルのサイズは横8.34mm、縦2.56mmと小さく、省スペース性が求められるスマートフォンやタブレットなどにも無理なく実装できる。耐挿抜回数は1万回、上下の向きがないリバーシブル仕様と、使い勝手も考慮した仕様となっている。
従来のUSBのコネクターは、ホスト側(PCなど)がType-A、デバイス側(周辺機器)がType-Bと形状の異なるコネクターを利用していた。Type-Bは、小型機器向けにMini-B、Micro-Bといった仕様があったが、これらをまとめてType-Cのみに一本化することを目指して策定されている。
つまり、Type-Cはホスト側にもデバイス側にも利用できる。従来はホストとデバイスの親子関係、電源の給電方向をコネクターの形状で決定していたが、Type-Cでは電気的に判断する仕組みが加えられている。
従来もスマートフォンなど向けにType-B側がホストになれるOTG(On The Go)という仕様を追加するなど、場当たり的に拡張していたわけだが、Type-Cは最初から仕様として想定しているわけである。
端子が同じでも転送速度は異なる
USB Type-Cは、ベース仕様であるUSB 2.0、USB 3.1向けのプラグ/レセプタクル/ケーブル仕様として追加された規格だ。インタフェースとしての信号速度、データ転送速度は、対応するUSBの本仕様に依存する。USBの本仕様で定義されている速度は以下の通りだ。