静かな環境で研究に打ち込める象牙の塔―。研究開発部門におけるかつての「理想の職場」は今や変わりつつある。様々な人と触れあって、日々新しい刺激を受ける。様々な情報に簡単にアクセスし、効率よく仕事が進められる。イノベーションを生み出すべくワークスタイル変革にまい進するイマドキの研究開発オフィスに潜入し、創造性を高める仕掛けを探る。
イノベーションの源泉にメス! 研究開発部門で“ワークスタイル大変動”
目次
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さらば、ダラダラプロジェクト その場で即決、商機を逃さず
新ワークスタイルで成果続々
ここまではオフィスを新設してワークスタイル変革に取り組む3社の事例を見てきた。さらに先んじて変革を進めてきたのがキユーピー、アシックス、ピジョン、ノエビアホールディングスといった企業。既に新商品やITを活用した新サービスなどのイノベーティブな成果を生み出している。
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新たな研究のタネ、協創で生み出せ ITを助っ人にテーマ創出
ダイキン工業
イマドキの研究開発オフィス、お次は空調機器世界最大手、ダイキン工業の「テクノロジー・イノベーションセンター(TIC)」だ。2015年11月、大阪府摂津市にある淀川製作所に開設した。オフィス棟や実験棟、総務棟からなる6階建てで、延べ床面積は約5万㎡に及ぶ。
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研究者に密着し「ペルソナ」を作成 400人の仕事をシンプルにするIT提供
サントリー
サントリーは2015年5月、関西文化学術研究都市(けいはんな学研都市)のなかに、サントリー ワールド リサーチセンター(SWR)を設置した。地上4階建ての新拠点の延べ床面積は2万3000㎡。この新拠点で、健康科学に関する研究を担うサントリーウエルネス健康科学センターなどグループ3社の研究員400人…
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光と緑あふれる空間で闊達に議論 陰に100人の「働き方変革人」あり
コニカミノルタ
研究者同士の交流を促すことが、イノベーションの創出につながる―。こうした考えから、分散していた研究所を統合し、様々な知見を持つ研究開発担当者を「協働」させる企業が増えている。コミュニケーションが生まれ、化学反応を起こしやすくするためにどんな仕掛けが必要なのか。3社の研究開発オフィスで探った。