企業・業界分析のためのオンライン情報サービス「SPEEDA」を提供するユーザベースが、BtoB企業の営業・マーケティング活動を支援する新サービス「FORCAS(フォーカス)」を2017年5月29日に公開した。特定のターゲットにアカウントベース(企業単位)でアプローチするABM(アカウントベースドマーケティング)の展開を容易にし、予測に基づいたマーケティング活動も可能にする。

ユーザベース日本事業統括執行役員である佐久間衡氏
ユーザベース日本事業統括執行役員である佐久間衡氏
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 FORCASはSPEEDAの法人営業向け機能として2016年9月から提供していた「自動ターゲティング」機能を、正式製品版として提供するもの。当初はSPEEDAの有料オプションの位置付けだが、将来はFORCAS単独での提供も視野に入れている。

 FORCASは、ユーザー企業が保持する顧客情報にSPEEDAが提供する企業情報を加えて分析することで、顧客の共通項を抽出し、営業候補先を自動でリストアップする。具体的には大きく四つの機能がある。

  1. SFA(営業支援システム)やMA(マーケティングオートメーション)内にある顧客情報など企業内の情報を名寄せし、そこにSPEEDAの情報を付与する顧客データの集約と整理機能
  2. 「オーナー企業」「業績好調企業」「人材需要が高い企業」といった100種類程度ある「シナリオ」のほか企業が属する業界、さらに売上高や従業員数などの属性情報を基にした分析で、既存顧客の傾向を把握できるようにする分析機能
  3. 分析結果を基に確度が高い潜在顧客(ターゲット企業)を自動リストアップする自動生成機能
  4. 業界情報や類似する既存顧客、関連情報などを表示し、ターゲット企業への営業やマーケティングアプローチを支援するインサイト表示機能

である。

 FORCASの事業責任者でユーザベース日本事業統括執行役員である佐久間衡氏は、「社内情報と社外情報の全部をアカウントベースでミックスさせ、その情報をFORCASで見ることで、戦略的な営業とマーケティングを実行できるようにする」と解説する。

 これまでユーザベースは、業界情報や企業情報を集約したプラットフォームとして金融機関やコンサルティングファームを中心に600社以上にSPEEDAを提供してきた。多様な情報に意味を付与して、構造化したデータを提供することで、企業や業界の情報収集や分析を支援している。今後はマーケティングや営業支援という視点でもユーザーを拡充していきたい考えだ。

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