前回に続き、国産のMA(Marketing Automation)サービス大手のシャノンのインタビューを掲載する。後編の今回は、BtoB向けのマーケティング手法として話題のABM(Account-Based Marketing)に対するシャノンの考え方や、同社が2016年12月にリリースした「ゴール機能」について、同社代表取締役の中村健一郎氏と取締役の東野誠氏に聞いた。
(聞き手は松本 敏明=ITproマーケティング、
記事構成は冨永 裕子=ITアナリスト)
記事構成は冨永 裕子=ITアナリスト)
(前回から続く)
営業部門とのコミュニケーションに悩むマーケ部門
シャノンが2016年1月に、ユーザー企業を対象に実施した実態調査では、マーケティング部門が営業部門とのコミュニケーションで悩んでいることが明らかになった。「MAサービスの活用が進んでいるマーケティング部門でも、営業部門が欲しいと思うリードを渡せているところは、実際にはまだ少ない」と中村氏は話す。
コミュニケーションについての悩みとは、マーケティング部門がMAを使い始めて、今までよりも多くのリードを営業部門に渡せるようになったが、営業部門に「このリードは必要ない」と言われてしまうということだ。この問題の原因が「マーケティングと営業が結びついていない」「マーケティングと営業が同じ目線に立っていない」といったことであると意識し始めているようだ。
その解決に向けて、ABM(アカウントベースドマーケティング)などの手法を取り入れようと考える企業が増えてきた。
シャノンが考えるABMとはターゲティングとセグメンテーション
中村氏は、「ABMの基本はターゲティングとセグメンテーションにある」という。マーケティング部門と営業部門が、客観的なターゲティングとセグメンテーションができれば、同じ目線に立てるようになり、コミュニケーションが取れるようになる。「ターゲティングとセグメンテーションの二つは、組織の横糸をつなぐ重要なポイントとなる」と中村氏は指摘する。