IoT Asia 2016からのレポート、3回目はアプリケーションデザイン、ウエアラブルで発表されたセッションを紹介します。最後に紹介するセッションの一つ「The Things Network」はオープンソースネットワークがテーマです。クロージングキーノートにも選ばれたほどで、今後のIoTを占ううえで大事な要素になってくるはずです。
ホビーから始まるIoTプロジェクト
まず最初にDesign SojournのBrian Ling氏によるセッションを紹介します(写真1)。Design Sojournはシンガポールをベースとしたデザイン戦略コンサルティングファームです。IoTプロジェクトには、企業、自治体や国家による取り組みが多い一方で、個人や小規模なチームで始まるものもあります。Brian氏が紹介するのはまさに後者で、2年前のWeb Summit内のハッカソンから始まったプロジェクトです。その時のチームはハニーコーンという名前でした。
もともとのコンセプトはごく小さなデバイスで、壁や机の上に置いておいて、メッセージが表示できるというものでした。LEDで作成して、天気やメールの未読数などをアイコンで表示するというものです(写真2)。
コンセプトは最初から変わっていませんが、約2年間の間で様々な紆余曲折がありました。最初は円柱型でサイズが大きかったようです(写真3)。そしてBluetoothを使って情報を送信し、それによってLEDの色を変えられるというものでした。さらにディスプレイ部分をなくして、LEDだけにしたバージョンもあります(写真4)。
六角形にした試作品も作っています(写真5)。この時点ではまだホビーでしかないのですが、様々な形で作り、何が使いやすくてどういった可能性があるのかを模索しています。なお、この時点で最初に作った時から1年近くが経とうとしています。
2015年7月の時点では形が四角になり、ディスプレイがアイコン表示に使えます(写真6)。これが現在のELLA Assistantの形状です。時計のようなアイコンを表示するほか、LED部分と本体部分に隙間があって、ボタンのように押せるようになっています。押すと何らかのアクション(電気を点けるなど)を実行させることも可能です。