表を“地図”に代え、新たな気づき
名古屋鉄道
同じデータでも、一覧表に羅列したときと、グラフや色を駆使してビジュアライズしたときとでは、気づけることに大きな差が生じる。それを実感したのが、愛知県と岐阜県で鉄道やバスの事業を手掛ける名古屋鉄道。同社は、これまで通勤定期券の売り上げ情報を一覧表でしか把握してこなかった。今回、同データをビジュアライズしたことで新たな気づきを得て、販促に生かした。
通勤定期券の購入者が急増する3月と9月、名古屋鉄道は同社が提供する発行枚数7万枚のクレジットカード「名鉄ミューズカード」の入会キャンペーンを実施した。期間中に新規加入し、定期券を購入するとボーナスポイントを付与するものだ。このキャンペーンの効果を高める施策を検討するなかでデータビジュアライゼーションを活用した。
同社は、データ分析に基づくマーケティング戦略の立案に強みを持つギックスに、定期券に関わる様々なデータを提供して施策の提案を依頼した。いくつか受けた提案のなかで目を引いたのが、通勤定期券の売り上げ情報を地図上にマッピングしたグラフだった(下図)。地図上には、通勤定期券の乗車駅や沿線ごとに赤色のバブルが記載してある。バブルが大きいほど通勤定期券で乗車する利用客が多く、赤色が濃いほど名鉄ミューズカードで決済した利用客が多いことを意味する。