『○○が絶対に××する方法(経営、秘訣など)』――。
これは筆者が展示会や展示会用リーフレットでよく利用している、反応を獲得するキャッチコピーの雛形である。
少しだけ解説すると、「○○」には対象となる顧客が潜在的に欲しいと考えているキーワードが入る。粗利とか新規顧客といった言葉だ。「××」には、驚きの効果が入る。「100%」とか、「増える」とか。コピーのようにしてみると以下の内容になる。
『新規顧客が絶対に獲得できる方法』
どうだろう。単純だが、それっぽいキャッチコピーになった気がしないだろうか?
上のコピーは、これは筆者が展示会で100%の反応を獲得してきたキャッチコピーの例だ。個人的にも自信作である。BtoB市場で反応が取れる一つの型になるだろうと自負している。
さてここで問題。この雛形をそのまま真似して、キャッチコピーを作ったら同じような成果を得られるだろうか?
簡単にできる!キャッチコピーの雛形 30パターン
失敗しない!キャッチコピーの作り方
などなど。
「キャッチコピー」というキーワードでネット検索すると、実に多くの情報が出てくる。
キャッチコピー作りで一度でも悩んだ経験のある人は、たぶんこうした検索で情報を集めたのではないだろうか?実は筆者もかつて、そうした情報を集めていた一人だった。
この雛形は迷える筆者にとって天の導きのように感じた。
どうしてか?それは雛形通りに作ってみると、それなりのキャッチコピーが完成するからだ。『これなら当たるんじゃないか!俺って天才かも。。』と独り言をつぶやいてニヤニヤするほど、良い出来に感じるキャッチコピーが完成した。
でも。。。
展示会のアイキャッチで使っても、リーフレットに載せても、結果はいま一つ。キャッチコピーがお客様の購入スイッチを押したという奇跡は起こらなかった。
結局、キャッチコピーでお客様の反応が変わる訳がない、と失敗の責任をキャッチコピーになすり付けていた。こうした“完全物まね型のキャッチコピー”で失敗している人は案外多いのではないか。あなたがまだそんな失敗をしていないなら、とても幸運なのです。
ここで冒頭の問いかけをもう一度。
BtoBの展示会で100%の確率で顧客反応を得られたキャッチコピーの雛形を完全に真似したら、同じように反応が取れるキャッチコピーを作れるだろうか?
答えは“分からない”。それはあなたが販売する製品の状況によって変わるからだ。
雛形というのは、そのキャッチコピーを作るための材料が全部そろった時に必要となるものだ。最終的にコピーとして編集する、その作業効率を上げるために知っておくべき物のはずだ。
単純にその雛形をたくさん知っていたところで、売れる製品キャッチは生み出せない。かえってこの雛形が邪魔して、型に合わせたコピーを無理に作ってしまうことになる。
これでは本末転倒。雛形が足かせになって本質を見失う。