マイナンバー対応で、官民の行政手続きが効率化する。企業にとってのメリットがこれだけだと捉えるのは禁物だ。本命は、個人番号カードで実現する「公的個人認証」。個人向けネットビジネスをより加速する起爆剤となる可能性が高い。
個人番号カード(マイナンバーカード)は裏面にマイナンバーを記載したICカードである。希望者は無償で入手でき、顔写真ととに申請する。スマートフォンなどで撮影した写真でもよい。
個人番号カードの民間活用を目指す政府・自民党は2016年3月末の配布目標を1000万枚としていたが、「目標を突破する勢いで申請が来ている」(関係者)。2017年3月までに3000万枚分を配る予算を確保したという。
個人番号カードは、DVD、CDなどのレンタル店で身分証明書として利用できる(図4)。ただし、カード裏面のマイナンバーをレンタル店などがコピーするのは違法なので、自治体の窓口では裏面のマイナンバーなどを隠すケースを一緒に配っている。
2017年1月以降に稼働するマイナポータルを利用する際も、個人番号カードを使う。
企業が注目すべきは、同カードが提供する「公的個人認証」サービス(JPKI)だ。個人向けネットビジネスやサービスを効率良く、より安全に提供できるようになる。