頑張って価格を伝えたのに成約にならない理由
あなた:「ご提案内容の価格はこちらになります」
お客様:「では検討します」
あなた:「かしこまりました。よろしくお願いいたします」
よくある光景です。価格をお客様に伝えた後、「ん~、お客様のこの反応はいったいどっちなんだろうか…」と悩ましく感じたことはありませんか?
私はこの状態を「あとは天任せ状態」と呼んでいます。
もちろん、最終的な判断はお客様が下すものです。その意味では、「やるだけやったらあとは天任せ」というのは正しいと言えます。しかし、本当にやるだけやったのでしょうか。もう一度考えてみましょう。
あなたが価格を伝えたことで、お客様はいよいよ、購入するかどうかの最終決定を下す「検討段階」に入っています。このタイミングで、どちらに結果が転ぶかどうなるか、まったく分からない状態のまま結論をもらうことになるか、諦めずに少しでも可能性を高める努力をするかで、結果が大きく変わることがあります。
今日は、最終的な検討段階で、成約の可能性を少しでも高めるための考え方とアクションをお伝えしていきます。
基本は即決
商談相手が決裁権者であれば、即決を促すことを第一に考えましょう。
なぜなら、相手がもっとも熱くなっている、つまり“温度感”が高い瞬間に結論をもらう方が成約の確率が高まるからです。
もし、1週間後に返答をもらうことになると、その間に相手が日常業務に戻ることになり、あなたの提案内容に対する意識と欲求が冷めてしまうかもしれません。もしかしたら、その間に、お客様の社内に反対派や障害となる要因が出てきて、あなたの提案が潰されてしまうかもしれません。このようなことは、実際よくあります。
もちろん、商談の大きさによっては、即決は難しいかもしれません。それでも、相手が最終決裁者であれば、即決してもらうことを優先しましょう。
即決を促すには、価格を提示した後、暗に「今日結論をお願いしますね」ということが伝わるよう、布石を打っておくことが有効です。例えば、「どうされるかは、今日、後ほどお伺いしたいと思いますが、もし導入されるとして、懸念や疑問点などはございますか?」などと伝えましょう。
このように伝えておくと、お客様は「後で、結論を伝えるタイミングがあるんだな」と認識できるようになります。少し勇気がいりますが、お客様の未来を考えて、「これを導入しない理由が分からない」と思えるほどに自分の提案に自信があるのであれば、躊躇せずに堂々と言いましょう。