業務を進める上で、PCで作成したファイルの共有やバックアップは不可欠だ。ある程度の規模の企業なら、専任のIT部門がインフラを管理、運用しており、現場がデータの共有や保管に悩む必要はない。しかし、IT部門がない、あるいはあってもデータの扱いは現場(部署)に任されている、という企業/組織も多いだろう。

 ほかのPCとファイルをやり取りするときに、一番単純なのはUSBメモリーやDVD/Blu-ray Disc(BD)などの外部メディアを使う方法だ。しかし、ファイルをやり取りするたびにUSBメモリーを着脱したり、メディアに書き込んだりするのは面倒だ。バックアップも、それぞれのPCに外付けHDDのような外部記憶装置を追加するとなると、手間もコストもかかる。

 部署単位、あるいは小規模事業所、個人に近い形での業務ならば、「NAS(Network Attached Storage)」を導入することで、こうした問題を解決できる可能性がある。本特集では、現場の判断で導入できる規模感の業務向けNASについて、特徴や種類、基本的な導入方法を解説する。

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大容量ファイルを扱うならNASの方が便利

 NASの特徴を改めてまとめておこう。

 NASとは、LANを経由して利用するストレージ機器だ。1台のNASを導入し、NAS上に複数のPCから利用できる「共有フォルダー」を設定しておけば、LANに接続したそれぞれのPCからその共有フォルダーにアクセスして、ファイルを読み書きできる。

PCから見たNAS。「ネットワーク」からたどって共有フォルダーにアクセスする
PCから見たNAS。「ネットワーク」からたどって共有フォルダーにアクセスする
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