Office 2016、Office Onlineとは別に、「Office Mobile」という製品もある。画面サイズが10.1型以下のスマートフォンやタブレットに適したOfficeだ。名前の通りモバイル向けで、タッチ操作でも快適に使えるように考えられている(図1)。従来のiPhone/iPad用やAndroid用に加え、新たにWindows 10用が登場した。

●タッチで操作しやすい簡易版Office
●タッチで操作しやすい簡易版Office
図1 Windows 10タブレット上のExcel Mobile。Office Mobileはいずれも、タッチ操作で使いやすいようにメニューやボタンが大きくなっている
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 機能は結構充実している。Excel Mobileの場合、感覚的にはExcel 2016の4~5割の機能しかないが、よく使う基本機能は備えている。グラフも美しい表現が可能で、困ることはない(図2)。Word Mobileで気になるのはタッチ操作による文字選択だが、範囲指定中にピンのマークが表示され、1文字単位で選択できる(図3)。作図もタッチ操作で可能だ(図4)。PowerPoint Mobileについては、既存のアニメーションは再生できるが、新規に設定できないのは惜しい(図5図6)。

図2 グラフなどの表現力はなかなか高い。感覚的にはExcel 2016に対して4~5割の機能を搭載している
図2 グラフなどの表現力はなかなか高い。感覚的にはExcel 2016に対して4~5割の機能を搭載している
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図3 Windows 10タブレット上のWord Mobile。文字列の範囲指定をタッチ操作でしやすくなっているのがうれしい。両端のピンマークをドラッグして選択範囲を広げたり狭めたりできる
図3 Windows 10タブレット上のWord Mobile。文字列の範囲指定をタッチ操作でしやすくなっているのがうれしい。両端のピンマークをドラッグして選択範囲を広げたり狭めたりできる
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図4 Word Mobileで作図機能を利用しているところ。さすがに細かな図の作成は厳しいが、ちょっとした作図なら指先で対応できる
図4 Word Mobileで作図機能を利用しているところ。さすがに細かな図の作成は厳しいが、ちょっとした作図なら指先で対応できる
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図5 同じくPowerPoint Mobile。デザインもなかなか豊富で、新規スライドの作成にも対応する
図5 同じくPowerPoint Mobile。デザインもなかなか豊富で、新規スライドの作成にも対応する
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図6 PowerPoint 2016などで設定したアニメーションの再生はできるのだが、PowerPoint Mobile上で新規にアニメーションを設定できないのが残念だ
図6 PowerPoint 2016などで設定したアニメーションの再生はできるのだが、PowerPoint Mobile上で新規にアニメーションを設定できないのが残念だ
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 Office Mobileに共通するのは、文字入力用のタッチキーボードを表示した時点で、編集に使える画面がかなり狭くなってしまうこと。これは最大の欠点だと感じるだろう。

 なお、Office Mobileは無料でダウンロードできるが、ライセンス上の注意点がある。まず、閲覧は誰でも可能だが、基本的な編集機能を利用する場合に、Microsoftアカウントでのサインインが必要になる。また、この編集機能を商用目的で使ったり、そのほかの全機能を利用したりするには、Office 365のサブスクリプションが必要だ※。

※ パソコンにプリインストールされるOffice PremiumやOffice Mobileに「プラス Office 365 サービス」が付いている期間は、商用目的で全機能を利用できる