新機能の目玉の一つが「共有」だ。まだ使ったことのない人が多いと思うが、利点をよく理解して使うと大いに役立つ。ビジネスシーンでは一部で使われ始めており、個人的用途でも重宝するので試したい。

 そもそも「共有」とは、1つのファイルを複数のユーザーが閲覧・編集する共同作業のことをいう。これまでも、社内LANなどで共有しているファイルを複数のユーザーが同時に開くことはできた。ただしその場合、後から開いたユーザーは“読み取り専用”になるのが普通だった。

 一方、Office 2016の共有機能では、「OneDrive」などのオンラインストレージに保存したファイルを、複数のユーザーが同時に開いて編集できる。WordとPowerPointで利用できる機能だ(図1図5)。同じ部分を同時に編集した場合は、「競合の解決」という画面で、どちらの編集内容を残すか決められる。

●OneDriveを介して複数人で共同作業
●OneDriveを介して複数人で共同作業
図1 Word 2016とPowerPoint 2016では、オンラインストレージの「OneDrive」にアップロードしたファイルを、複数のユーザーが同時に開いて編集できる
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図2 画面右上の「共有」をクリックすると、「共有」の作業ウィンドウが開く。相手のメールアドレスとメッセージを入力し、「共有」ボタンを押す。なお、ファイルがパソコン上にある場合、OneDriveへの保存を促される
図2 画面右上の「共有」をクリックすると、「共有」の作業ウィンドウが開く。相手のメールアドレスとメッセージを入力し、「共有」ボタンを押す。なお、ファイルがパソコン上にある場合、OneDriveへの保存を促される
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図3 招待される側にはこのようなメールが届くので、「OneDriveで表示」をクリックする。この図はOutlook 2016の画面例
図3 招待される側にはこのようなメールが届くので、「OneDriveで表示」をクリックする。この図はOutlook 2016の画面例
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図4 Webブラウザーが起動して、「Word Online」でファイルが開かれる。ここでも編集できるが、「文書の編集」→「Wordで編集」を選択しよう
図4 Webブラウザーが起動して、「Word Online」でファイルが開かれる。ここでも編集できるが、「文書の編集」→「Wordで編集」を選択しよう
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図5 Word 2016が起動して文書が開く。右上の「共有」をクリックすると、作業ウィンドウで現在編集中のユーザーを確認できる。ここに「リアルタイムでの編集」と表示されているときは、相手の編集内容がリアルタイムで反映される
図5 Word 2016が起動して文書が開く。右上の「共有」をクリックすると、作業ウィンドウで現在編集中のユーザーを確認できる。ここに「リアルタイムでの編集」と表示されているときは、相手の編集内容がリアルタイムで反映される
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 実はOffice 2013にも、同様の共有機能はあった。Office 2016ではそれが強化され、共有相手の招待や確認が作業ウィンドウで行える。

 さらにWord 2016では、他のユーザーによる編集内容がリアルタイムで文書に反映され、画面上で確認できるようになった。リアルタイムでの同時編集は、Word 2016に加え、「Office Online」でも可能。相手がOffice 2016を持っていなくても、Office Onlineを使えるのは便利だ。ExcelではOneDrive上のファイルを複数人が同時に開いて編集できないが、Excel Online同士なら可能だ。