「各種ポイントや図書館、銀行などのカードを一本化していきたい」。マイナンバーカードを巡って、高市早苗総務大臣が2016年1月に発言した内容が話題を呼んだ。住基カードの二の舞を避けるべく、総務省をはじめ政府はマイナンバーカードの普及に力を注いでいる。大臣の発言のようにカードの多目的利用を推進するほか、700億円以上の財源を確保して2500万枚規模でカードを無料発行する構えだ。

 一方で、政府内ではマイナンバーカードの「限界」を示す一幕も演じてしまった。財務省が提案した、消費税の軽減税率を還付する方法としてカードを活用する案である。「買い物のたびにカードを携行、提示するのか」「中小の商店主はレジ業務にどう対応する」──。カードは急激には普及しないという事実を無視した素案は各方面から強い反発を浴びた。総務省が推進するカードの「多目的利用」も、民間の需要を読み間違えれば同じ過ちを犯しかねない。

 政府が掲げるマイナンバーの民間活用方法のうち、企業が利用しやすく、実際に恩恵が受けられそうなものはどれか。本誌の評価を交えて注目すべきビジネス活用方法を紹介しよう。

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