第3回第4回では、エンジニアである皆さんがマーケティング担当者をはじめとする非エンジニアのITリテラシーを高めるための視点や方法についてお伝えしてきました。具体的には、「メール」や「Power Point」という、日常業務で多用されるアプリケーションの活用で発生する課題を例に解説しました。

 技術の進化が起爆剤となってサービスやソリューション、業務の内容や進め方が急速に変わっていく今日、ITつまり情報を扱う技術の基本を理解しておくことはとても重要です。マーケターやプランナーなどの非エンジニアから新技術を起点とした発想が生まれやすくなるだけではありません。理解不足が原因の手戻りが減って、企画から設計・実装・運用までの流れがスムーズになる、社内のコミュニケーションが円滑になる、信頼関係が産まれてチームが結束する、などのメリットが見込めます。

 とはいえ、非エンジニアにも、開発やインフラの知識・技術が不可欠という理想論を唱えるつもりはありません。メールやPower Pointといった日常アプリケーションの利用など、身近なところから情報処理に関する考え方を普及させていくことで、マーケティングとテクノロジーの融合を進められるはずです。

 連載5回目となる今回は、マーケティング業務で必須のアプリケーション「Excel」を例に、エンジニア的な情報処理の考え方とテクニックを発揮する方法について提案します。

日常のマーケティング業務でExcelはどう使われている?

 情報処理について多くの知見や経験を持つ皆さんが、もしかすると唯一、マーケティング担当者にその活用知識で劣るかもしれないアプリケーションが「Excel」ではないでしょうか?プログラムを書いてデータを集計し、加工することに馴れている皆さんだからこそ、その概念をベースとした「Excel技」の提案と社内啓蒙は容易なはずです。

 Excelは日次、月次といった定量的なデータの集計や加工にとても便利です。単に集計や計算の実行だけでなく、加工したデータを元にグラフを使ってビジュアル化をしたり、簡単な統計処理をしたりすることも得意としています。

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