前回は日常の業務でメールを多用することによって起こる問題や課題を、業務目的を整理しながら適切なツールの導入によって解決する方法について説明しました。これにより、マーケティング担当者をはじめとした非エンジニアとエンジニアが協業しながらITリテラシーを高められるようになります。

 日常の業務フローや目的を把握し、適材適所のアプリ活用を行うことで、プロジェクトの運営が円滑になるでしょう。さらにアプリの特性理解を通じて非エンジニアの人々のITリテラシーをも高められるため、一石二鳥ともいえるアプローチです。

 連載4回目となる今回は、非エンジニアの人々が誤って行っている「PowerPointの無駄遣い 五つのあるある」を紹介します。PowerPointの適切な使い方を通して、情報整理の考え方を身につける方法を提案していきます。

PPTもWeb制作もアプリ作りも・・・情報整理がすべての基本

 多くの職場で資料作成に使われているソフトウエア「PowerPoint(PPT)」。社内のちょっとした情報まとめや稟議に添付する資料、社内外への提案など、PPT無しでは情報の発信や保管ができないくらい活用されていると思います。

 ところが、PPTの使い方に慣れた人が陥るのが一つのスライド内に過剰なほど情報を詰め込んだ資料を作って満足してしまうことや、文章だけを書き記したスライドを連ねてしまうことです。

 そもそもPPTは、プレゼンテーション用のスライドを作成するためのツールです。そしてここに、思考整理やチームによるコラボレーション、再利用、変更管理など、生産性を高めるための機能を取り込みながら進化してきました。

 しかしPPTの使い方をスライドの単位で作成するところから覚えて熟達してしまうと、ソフトウエアが持っている「情報整理」や管理の重要性を見落とし、図版の作り方やアニメーションの設定などのテクニックの習得ばかりに意識が向いてしまいます。分かりやすい資料やプレゼンテーションを作成すること、すなわち伝えるべきことを整理して情報に優先順位を付け、スライドを作成する際に伝達ルールを設けて内容を組み立てることが、「伝わる」コツであるというのはここで改めて理解いただけますね?

この先は日経クロステック Active会員の登録が必要です

日経クロステック Activeは、IT/製造/建設各分野にかかわる企業向け製品・サービスについて、選択や導入を支援する情報サイトです。製品・サービス情報、導入事例などのコンテンツを多数掲載しています。初めてご覧になる際には、会員登録(無料)をお願いいたします。