前回の記事では、どのB2B企業にもマーケティングが既に存在しており、意識はしていなくても実行されていること。そして、B2Bのマーケティングの進化は、日本の経済に大きな影響があることを説明しました。

 今回から、マーケティングにどう取り組むか、どのように進化させるかを考えていきます。

 マーケティングにはさまざまなプロセスやアクションがあります。もちろん、事業や企業ごとにマーケティングの方法は異なります。

 しかし、どの企業でも必ず実行しているマーケティングがあります。それは、Webサイトの公開です。それがマーケティングなの?と思う方もいるかもしれませんが、多くのWebサイトは新客の獲得を目指して開設しているのではないでしょうか。

 近年マーケティングオートメーション(MA)という言葉が流行り、WebサイトやEmailを活用した、リードの開発などが話題になることも多くなりました。しかし、Webサイトを訪問する人が少なければ、Web経由で新しい顧客を獲得できません。

 ところで、あなたの企業ではWebサイトのアクセスを分析しているでしょうか?もちろん、ほぼ皆さんが分析していると答えるでしょう。

 では、そのアクセス分析のデータを使って、サイトを改善しているでしょうか?多くの方が、自分は担当していないが、担当者がやっているのではと答えると思います。

 ところが、Webサイトの担当者が明確にいて、アクセス分析の結果を使ったサイト改善を業務に組み込んでいる企業はまだ少ないのではないでしょうか。極端に言えば、サイトを公開して、気になる時だけアクセス数を確認しているだけの企業も多いのです。

 つまり多くのB2B企業は、Webサイト開設していて、マーケティングツールとして有効に活用できるのに、その大半の企業では活用ができていないのです。事実、私のところにも自社のサイトを改良したいという相談が数多く寄せられています。でも、その相談にはサイトの目的が明確になっておらず、アクセス分析もきちんとできていないところからのものもあります。

 そこで本連載では数回にわたり、B2B企業のWebサイトについて考えていきます。Webサイトもマーケティングツールであり、Webサイトを考えることでマーケティングを考える良いヒントになると思っているからです。

 まず、皆さんの企業ではWebサイトの目的は何にしているでしょうか?

  1. 自社の事業の方向やVisionを伝える、社外広報誌、投資家向け説明資料のような存在
  2. 自社の活動の最新情報を伝える、社外掲示板のような存在
  3. 新製品の告知や、製品のリストなどを伝える、製品カタログのような存在

 一つに絞るのですかという質問もありそうですね。確かにWebサイトは、そのメディアの特性上、さまざまなターゲットに、さまざまな情報を届けることが可能です。

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