この記事がITproマーケティングに公開されるのは2017年4月中旬です。今年は、日本でインターネットが商用活用されるようになった1993年から24年目に当たります(参照:総務省情報通信白書)
この約20数年でインターネットは、私たち生活者になくてはならないものとしてしっかり根を下ろしました。携帯電話の使い方も、最初は大きな端末による音声通話だけでしたが、今では小型のスマートフォンによるデータ通信を活用したメッセージ送信やメール送信が中心に変わりました。
ビジネスシーンにも、大きな変化が起こっています。そしてビジネスのシーンでは、多くの方がICT(Information and Communication Technology)への対応を進めていると思います。
そこで今回は改めて、ICTを使ってビジネスをマーケティングの視点でクリエーションする取り組みについて考えることにしました。
マーケティングオートメーション(MA)の導入や、ABM(Account Based Marketing)手法の習得などについては対応型の思考ではなく、創造的でかつ俯瞰的な視点で視点で議論を展開したいと思います。こうした議論の結果として、B2BマーケティングにICTを活用してビジネスを強化する方法を見出せるはずと考えるからです。
ICTの登場は私たちのビジネスにどのような変化をもたらし、今後も変化をもたらすのでしょうか。これから「検索性」「Data保管の低価格化」「計算の高速化」の3点に絞り、B2Bのマーケティングへの影響を整理し、さらに少しのアイディアを述べていきたいと思います。
まずは、「検索性」です。これはインターネットなど通信速度の高速化とコンピュータ処理能力の向上によって後押しされ、B2Bのマーケティングそのものの進め方を変えたのではないでしょうか?
B2B事業では、実に多くのパーツなどの部材やさまざまなサービスが取り引きされています。以前は、このような数多くの部材やサービスの選択は、紙のカタログや電話、ファクシミリによる問い合わせが中心でした。しかし現在では、インターネット検索が主な部材やサービスの発見あるいは比較検討の手段になっています。
部材やサービスの選択が、インターネット検索から始まるように変わった結果、ユーザーが部材・サービスを選ぶときの思考にも大きな変化をもたらすようになりました。紙中心に選択していたときは、先にカタログを開き、該当商品のカテゴリーのページを開けて、順番に該当の部材が出るまでページをめくり、欲しいものを探していました。
そしてこの作業を数社で同じように繰り返し、電話やファクシミリなどで見積もりを取ってからようやく部材を調達していました。ビジネスサイド、つまり部材やサービスを提供する側は、紙のカタログを届けることが業務の中心になっていました。