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 矢野経済研究所は、国内のクラウドファンディングに関する調査結果を発表した。それによると、クラウドファンディングの市場規模を新規プロジェクトを支援する金額ベースで算出した場合、2015年度の市場規模は前年度比68.1%増の363億3400万円に達した。社会貢献度の高いプロジェクトが多数起案され、大型プロジェクトが成立したことや、マイナス金利時代を反映して好利回りの貸付型案件が増えたことなどが、原因と分析している。

 さらに2016年度には、同31.5%増の477億8700万円にまで拡大すると予測した。クラウドファンディングの活用効果が浸透し、プロジェクト案件の達成数も増加していくと指摘した。

 同社は、クラウドファンディングを「購入型」「寄付型」「投資型(ファンド型)」「貸付型」に分類して、それぞれの規模も予測した。2015年度は購入型が約32億円、寄付型が約1億円、投資型が約6億円、貸付型が約322億円となった。2016年度は、購入型が前年度比81.3%増の約58億円、寄付型が同300%増の約4億円、ファンド型が同66.7%増の約10億円、貸付型が同25.5%増の約404億円と予測した。

 購入型が増える理由として、手数料の引き下げ効果、認知度の高まりによる成立件数増加を挙げ、数千万円台~1億円規模の大型プロジェクト事例が増え始めていると分析した。