第1四半期のインシデントは33%増
フィッシングは金融機関が55%と最多

[画像のクリックで拡大表示]

 一般社団法人JPCERT コーディネーションセンター(JPCERT/CC)は、国内外で発生するコンピュータセキュリティインシデントに関する調査結果を発表した。

 2016年第1四半期(1月~3月)に受け付けたインシデント報告件数は、2015年第4四半期と比べて33%増の4587件。JPCERT/CCが国内外の関連するサイトと調整を行った件数は、同44%増の2955件だった。一方前年同期比では、報告数で33%、調整件数で4%、どちらも減少した。

 発生したインシデントをカテゴリで分類し、その動向を調査したところ、システムの弱点を探索するインシデントが「スキャン」が39.9%で最も多かった。次いで「Webサイト改ざん」に分類されるインシデントが30.6%、「フィッシングサイト」に分類されるインシデントが15.6%で、この3分類で86%を超える。

 目立って増加したのが、フィッシングサイトの報告件数。645件と前四半期の474件から36%増加した。ブランド別では、国内のブランドを装ったフィッシングサイトの件数は189件で、前四半期の124件から52%増加。国外ブランドを装ったフィッシングサイトは270件で、前四半期の250件から8%増加した。金融機関のサイトを装ったものが55.3%と最多で、Eコマースサイト、通信事業者が続いた。