2016年世界IT支出額は3兆4920億ドル
ITサービス・ソフトは増加、デバイスは減少

 米Gartnerが公表したIT支出額推計によると、2016年の世界支出額は3兆4920億ドルとなり、前年実績から0.5%減少する見通し。同社は1月に公表したリポートで同年のIT支出額が前年比で0.5%増加すると推計していたが、これを下方修正した。その主な理由は為替相場の変動という。

 16年のIT支出額の内訳は、パソコン、携帯電話、タブレット端末などの「デバイス」が6260億ドル、「ソフトウエア」が3210億ドル、「ITサービス」が9290億ドル、「通信サービス」が1兆4410億ドル、「データセンターシステム」が1750億ドルとなっている。

 世界のIT支出全体の約4割を占める通信サービスは、前年比2.0%減少する。ロシアやブラジルなどの主要市場の景気が停滞しており、固定電話・モバイル音声サービスへの支出が鈍くなるのに加えて、中国の成長減速で固定電話音声サービスへの支出が低下するという。デバイスは同3.7%減少する。スマートフォン市場が世界的に飽和状態に近づき成長が鈍化しているのに加えて、高性能薄型軽量タイプを含むPCとタブレットへの支出も減少するからだと理由を述べている。

 増加するのはITサービス(同2.1%)とソフトウエア(同4.2%)。前者では、ブラジル、中国、韓国の支出額が減少するが、日本とインドの見通しが明るいと分析している。

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