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 IDC Japanは国内BPO(ビジネス・プロセス・アウトソーシング)サービスの調査結果を発表した。2016年の市場規模は前年比4.9%増の7017億円だった。2021年まで年平均3.7%で成長し、2021年の市場規模は2016年比20%増の8427億円に拡大する予測だ。

 慢性的な人材不足に加え、こぞって企業が進めているデジタル化が後押しし、国内BPOサービス市場は堅調な成長を続けていく見込みだ。

 2016年のセグメント別では、2015年から最も伸びたのは調達/購買分野のBPOサービス。2011年から続いていた2桁成長は途切れたものの、高い成長率を維持したという。

 IDC Japanは理由として、全社的な視点でのコストの削減や最適化が遅れている間接材について、調達や購買のプロセスを最適化する需要が高まっているとした。同分野は2021年まで年6.4%で伸びるという。

 人事分野のBPOサービス市場は2016年に調達/購買分野に迫る成長率だった。新卒人材の確保や定着のため、福利厚生を重視する企業が増えているのが主な要因という。今後は官公庁で利用が広がるほか、働き方の多様化に伴う人事業務再設計の需要などが下支えして、調達/購買に次ぐ成長率を維持する見込みだ。

 カスタマーケア分野のBPOサービスはデジタルマーケティングでのマルチチャネル対応で需要が拡大し、コンタクトセンターの有用性が改めて見直されているという。

 財務/経理分野はBPOの需要が一巡。ただし、近年、RPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)の技術を使った自動化の導入機運が高まっており、BPO需要が再び増える可能性がありそうだ。