2015年度のIT投資は11兆6350億円
最重要は「情報セキュリティの強化」

 矢野経済研究所が発表した国内企業IT投資に関する調査結果によると、2015年度のIT投資(ハード、ソフト、サービスを含む)は前年度比2.8%増の11兆6350億円、2016年度は同1.1%増の11兆7630億円、2017年度は同0.6%減の11兆6900億円になる(全て予測値)。同社は、国内民間企業の景況感は、大企業・中堅企業を中心に良好で、それを受けてIT投資は増加傾向にあると分析している。

 今後の動向については、内閣府・財務省の「法人企業景気予測調査」や日本銀行の「全国企業短期経済観測調査(短観)」など様々な指標から、景況感を判断したうえで予測している。

 同社は、注目すべき動向として、情報セキュリティ投資への意識が高まっている点を指摘している。今後3年間のIT投資の目的について、過去の調査時における回答比率を比較してみた(複数回答)。「情報セキュリティの強化」「システム基盤全体の効率化」「社内コミュニケーションの強化」、「営業の強化」「財務会計業務の効率化」といった項目が、常に上位5位にランクされている一方で、「情報セキュリティの強化」の回答比率が2012年調査時以降年々上昇傾向にある。個人情報の漏洩問題などを受け、個人情報管理が最重要課題となっており、それが情報セキュリティ対策への投資として表れていると、同社は指摘している。

出所:矢野経済研究所「国内企業のIT投資に関する調査結果 2015」、2015年12月21日発表
出所:矢野経済研究所「国内企業のIT投資に関する調査結果 2015」、2015年12月21日発表
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