前回は、デジタルマーケティングでダッソー・システムズが失敗してきたことについて書きました。私たちはこれまで、様々なトラブルや失敗に直面しながら、改善を繰り返して、現在に至っています。マーケティング予算が限られる中、毎年求められる高い目標を達成するためには、与えられた予算をやりくりしてマーケティング活動のROI(投資対効果)を継続的に向上することが求められます。

 この連載の最初の回(マーケプラン策定の基本は「割り算」、CADソフトの目標はこう決めている)でも紹介したように、当社のメインストリーム市場向けCADのマーケティング活動では、主にミッドマーケット(中堅中小企業向け)をターゲットとしています。そしてこの市場でマーケティングファネルを拡大して、目標とするKPI(重要業績評価指標)の達成を目指しています。

 そのための活動の基礎となるのが新たなコンタクトリストです。これを獲得するために私たちは、外部の展示会やオンラインのキャンペーンプログラムを駆使し、数量(Quantity)の拡大を追求してきました。実際に営業に渡すリード(見込み客情報)の件数は、ここ数年で2倍以上になっています。

 しかしマーケティングリード件数が増えたからといって、それを追いかけてクローズする営業のリソースが同じように増えるわけではありません。結果として私たちマーケターが集めて渡したリードを、営業にどう追いかけてもらうかという悩みが常につきまとっています。限られた営業リソースが、リードに確実に対応できるようにリードの品質(Quality)を上げることがチャレンジとなっています。

 品質を担保するために、私たちはマーケティングデータの整備を粛々と進めてきましたし、鮮度を維持するための活動も行ってきました。

 しかしリードの品質を高め、営業(実際には100%間接販売モデルのため、代理店の営業チーム)に確実に貢献できるようにするには、新たな手法を取り入れる時期に来ているようです。現在取り組んでいる活動の一つとして、インサイドセールスの活用があります。以下では、その具体的な内容を解説してみます。

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