購買検討のプロセスで、買う気にさせる(ナーチャリング)ためにコンテンツマーケティングが重要というのは、誰もがご存知のことかと思います。
デジタルマーケティングでのナーチャリングの最重要タッチポイントはWebサイトです。しかし、そのナーチャリングサイトに掲載するコンテンツで失敗している例をよく見かけます。
まず一つ目が、どのようなユーザーをナーチャリングするかを考えずに、コンテンツマーケティングを実施しているケースです。そもそも、ナーチャリングには大きく三つの役割があります。
1:【匿名ユーザーを記名ユーザーへ】
匿名ユーザーとして自社のWEBサイトを回遊しているユーザーの連絡先を入手する
一般的に、”購入検討初期の約60%は、匿名ユーザーとして情報収集を実施している”というデータをよく見るかと思います。これは、リードとして個人情報を登録している人(記名ユーザー)よりも、多くの検討初期の人が匿名ユーザーとして自社のサイトで情報を収集していることを意味しています。
この匿名ユーザーを早い検討段階で個人特定し、情報を収集されている側からアプローチすれば、他社の検討を排除でき、自社の商談を優位に進められるようになります。
2:【購買意欲の向上】
個人を特定できた記名ユーザーに、購入検討を促す最適な情報を提供し、購入意欲を高める
営業担当が、全ての購買検討者を手厚くフォローし、必要な情報をタイミングよく提供することは難しい状況にあります。現実的に対応できるのは、購買プロセスの後半に差し掛かったユーザーや、大口が成約が期待できるユーザーに絞られます。
その営業がフォローできない大半の部分にはコンテンツマーケティングを駆使して情報を提供します。この活動に対する個々の企業の反応を見て、興味を持っているポイントや検討状況などを営業に知らせます。
3:【既存顧客との関係維持】
自社の製品/サービスの利用ユーザーに対して、顧客関係を維持育成し離脱を防止する
営業担当のミッションの大きな割合は新規獲得が占めています。一度成約すると次なる新規を獲得していくために、営業は活動していきます。
そうしていると、せっかく多くの工数を使って競合他社に競り勝っても、製品/サービスの利用が始まるとうまく使いこなせずに不満がたまり、最悪の場合は解約されてします。
そうした事態を回避するために既存顧客に向けて情報を提供し、解約防止だけでなくクロスセルやアップセルを狙います。
企業はまず、ナーチャリングの役割を理解した上で、自社の製品/サービスのナーチャリングで、どの役割が最も重要かを考えてWebサイトを設計する必要があります。
場合によっては、既に存在している、企業情報や製品/サービスを紹介しているコーポレートサイトとは別に、ナーチャリング用のサイトを用意する必要があります。実際のところ近年、別に設けたナーチャリングサイトをよく見かけるようになりました。