無線LANを構築する際に便利なのが、無線LANアクセスポイント(AP)の自動設定機能だ。APが周囲の電波状況を調べて、それに応じて、使用チャネルや電波の出力などを自動的に調整する。ところが、この自動設定機能が、一時的に通信ができなくなるトラブルを招くケースがある(図2-1)。
どういった状況でチャネルや出力を自動的に変更するかは、メーカーや機種によって異なる。例えば、起動時や一定のタイミングで電波状況を測定し、通信に使用するチャネルを自動的に切り替える機種もある。
チャネル変更は、5GHz帯における「DFS」でも発生する。DFSは、APが使用するチャネルで気象レーダーや航空レーダーの電波を検知した際にいったん停波し、チャネルを切り替える機能だ。
こうした自動設定機能は、多数のAPを運用する上では欠かせない。一切使用しないというのは現実的ではない。「導入時はチャネル自動設定機能を利用し、安定したらチャネルを固定する」(富士通 ネットワークサービス事業本部の福島 裕之氏)という方法もある。
5GHz帯のDFSについては、電波法で利用を義務付けられている機能なので、オフにはできない。レーダーが干渉するチャネルが見付かったら、別のチャネルに切り替えるしかない。