HDEのマーケティング担当は、以前から見込み客をリストにまとめ、営業担当者にメールしていた。営業活動を支援する目的だったが、肝心の営業担当者は、そのメールすら読んでいなかった。リストを営業担当者がアプローチしやすい「失注企業」などに絞り、案件化数を2.5倍に増やした。
グループウエア向けのセキュリティサービス「HDE One」を提供するHDE(東京・渋谷)は5年ほど前から、ウェブサイトやセミナー、展示会などを訪れた企業の担当者をリストにまとめ、それらを営業担当者にメール送信して、電話での販促(テレアポ)につなげてきた。
ところがこの施策は、思惑通りには機能していなかった。リストに掲載された企業にテレアポを試みても、案件化する確率が極めて低かったからだ。そのため、「メールを開きもせずに、ごみ箱に捨ててしまう営業担当者もいた」と、水谷博明クラウドセールス&マーケティング ディビジョンインサイドセールス部長は苦しい内情を明かす。
実態に気付いた水谷部長はリストの改善に着手。営業担当者にも意見を求めて作成したのが「過去に失注した企業のうち、再びウェブサイトを訪問した企業」のリストだった。