流儀5 UXは要件定義で問題をつぶす [システムテスト]
システムの使い勝手を確認するテストは、システムテストで実施する場合が多い。ただし、アクセンチュアでモバイルシステムの開発を統括する丹羽雅彦氏(デジタルコンサルティング本部 モビリティ サービス グループ統括 マネジング・ディレクター)はこれに異を唱える。
「UXのテストはシステムが完成してからでは遅い。むしろ要件定義フェーズでモックアップを作って、テストと修正を繰り返すべき」と主張する。
スマートデバイスを使うモバイルシステムでは、特にUXが重視される。「PCと違い、スマートデバイスは個人での利用経験が先にある。業務用途であっても、モバイルシステムのUXに関する期待はLINEやTwitterが基準だ。個人向けサービスに使い勝手が劣ると、利用されないシステムになってしまう」(丹羽氏)。
UXの設計では、「現場のデータを収集したい」などの目的を達成できるように画面デザインと画面遷移を決めていく。モバイルシステムの画面仕様は機能と不可分で、これを決めないと成果物や作業の範囲であるスコープを明確にできない。
一通り完成してからUXのテストを実施して修正しようとすると、修正コストが非常に大きくなる。だからこそ、要件定義段階でUXの設計とテストを同時にこなす必要がある。