今回は、Azureの旧デプロイモデルで作成したリソースを、マイクロソフトが提供する支援機能を使って、新デプロイモデルに移行する方法を解説する。

 現時点では旧デプロイモデルの終了が発表されているわけではなく、必ずしも急いで移行すべき状況ではない。しかし移行すれば、仮想マシン、ネットワークインタフェース、ロードバランサー、IPアドレスといったリソースをそれぞれ独立させて扱う、リソースグループ内のシステム構成をJSON(JavaScript Object Notation)ファイルとして記述し自動的に環境を構築する――といった新デプロイモデルの利点を享受できる。移行する価値は大きい。

 移行作業は、「保有リソースの対応状況を確認」「移行支援機能のサポート状況を確認」「移行を実施」という三つのステップで進める。順に解説する。

ステップ1:保有リソースの対応状況を確認

 まず保有しているリソースの新デプロイモデルへの対応状況を確認する。マイクロソフトがサービスごとの対応状況を一覧表として提供しており、この情報を参照する(画面)。

画面●サービスごとの新デプロイモデルへの対応状況
マイクロソフトの公式ページから「Compute」のサービスの対応状況を抜粋(2016年11月30日時点)
画面●サービスごとの新デプロイモデルへの対応状況
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 旧デプロイモデルのリソースは、(a)移行が必要、(b)移行できない、(c)移行が不要、の三つに分類できる。

 (a)移行が必要なリソースは、具体的には、旧デプロイモデルで作成した仮想マシンと、それに付随するストレージと仮想ネットワークだ。いずれも、新旧どちらのデプロイモデルでも作れるが、構成要素が異なるため移行が必要になる。詳しい情報はマイクロソフトの公式ページ「Understand deployment models and the state of your resources」にあるので参照してほしい。

 この移行手順については、ステップ2、ステップ3で詳しく取り上げる。

 (b)移行できないリソースとしては、前回示した通り、仮想デスクトップの「Azure RemoteApp」とアプリケーション実行基盤の「Azure Cloud Servcies」がある。これらのサービスは、新デプロイモデルでサポートされておらず移行できない。

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