ISDNからの移行先には様々な選択肢がある。それらの選択肢と、移行の際の注意点について見ていこう。
要件に合うサービスを選ぶ
ISDNの長所をすべて備えた代替サービスは存在しない。そこで移行先を検討する際には、現在のシステムにおいて、優先させたい条件を見極めておく必要がある。その条件によって移行先は変わってくる(図1)。
主な移行先としては、(1)IP電話を使ったデータ通信サービスである「ひかり電話のデータコネクト(以下、データコネクト)」、(2)「フレッツ光」などのベストエフォート型のブロードバンド通信サービス、(3)「フレッツ・VPN」などのIP-VPNサービス、(4)LTEや4Gなどの無線通信(モバイル)、(5)ISDNとIPの通信を変換するアダプターや、NTTが検討中のメタル回線を使ったデータ通信サービス──が挙げられる。わかりやすいようにNTTのサービスを例として挙げているが、(2)~(4)は他の通信事業者も同様のサービスを提供している。
(1)~(4)でIP網へと移行すると、ISDN端末はそのまま使えないのでIP対応の端末に変更する必要がある(図2)。(5)の変換アダプターを利用する場合には、現在使用しているISDN機器をそのまま使い続けられる。メタル回線を使ったデータ通信サービスなら変換アダプターさえ不要になる。
これらの移行先はどのようなニーズに向くのだろうか。それぞれ詳しく見ていこう。