ティーンの消費は写真周辺で動く。SNSに投稿するニーズ、プリクラの文脈を理解しよう
ティーンの消費は写真周辺で動く。SNSに投稿するニーズ、プリクラの文脈を理解しよう
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 女子高生や女子大生における消費の大きなキーの一つは「写真」。スマートフォンの普及により写真撮影は日常のこととなり、写真周辺の消費が目立つようになった。原宿の女子高生100人を対象としたアプリマーケティング研究所調査(2015年8月)によると、週にどれくらいの写真を撮るかという質問に対して、「5~10枚」が47%で最多。次いで「10~50枚」(42%)となった。

 自分撮りするために利用する「自撮り棒」に関しては、31%が「使う」と回答。自撮りの練習についても14%が「する」と回答している。写真加工アプリをスマートフォンに何個インストールしているかという質問に対しては、「~3個」が38%で最多。続いて、「~5個」の36%、「~10個」も17%いた。女子高生や女子大生においては写真が日常であり、とても重要なことがよく分かるだろう。写真は何のために撮るのか。言うまでもなく、SNSに投稿して友人・知人に見てもらうためだ。

 ティーン向けファッション誌では、「盛る」がキーワードとして頻出する。雑誌「ポップティーン」では、モデルがすっぴんで登場し、「(すっぴんはイマイチでも)盛れたらOK」という文脈で、つけまつげやアイメイク、ヘアメイクなどをばっちり決めた写真を「ビフォーアフター」として掲載している。

 この写真文化周辺でティーンの消費が動いている。どのような消費が考えられるのか、自社の商品やサービスの販売促進につなげるヒントについて考えていこう。

SNSで写真映えするイベントが人気に

 ティーンはイベントを好む。「写真映えするかどうかでイベントに参加するかしないかを決める」と女子大生などは言う。写真に撮って盛れるかどうか、つまり実際以上に可愛らしく撮れるかどうかで参加するかどうかを決めるのだ。写真映えするイベントとは、例えばサンタコスプレのクリスマスパーティーであり、仮装ありのハロウィーンパーティーなどだ。

 ハロウィーンパーティーに関しては、興味深い調査結果もある。サッポロビールの「ハロウィンに関するアンケート調査」(2015年9月)によると、ハロウィンでパーティーやコスプレなどの実施意向は若年齢層ほど高い傾向があった。特に20代は「ハロウィンパーティーをする」(21.5%)、「ハロウィングッズを購入する」(15.2%)、「かぼちゃ料理を作る」(17.3%)、「仮装やコスプレをする」(12.1%)など、他の年代より何らかの楽しみ方をすると回答した人が86.4%と圧倒的に多かった。やはり、写真映えを重視する傾向にあると分かる。

 絵本「ウォーリーを探せ!」の作者マーティン・ハンドフォードの誕生日である9月27日に、「実写版 ウォーリーをさがせ!」というイベントが開催された。赤と白ボーダーシャツ、赤と白のニット帽、眼鏡またはサングラス、デニムのパンツまたはスカートというウォーリーと同じ衣装を着たウォーリーファンが集結するイベントだ。

 代々木公園に大量のウォーリーが集合し、渋谷のスクランブル交差点、原宿竹下通り、東京タワー、浅草雷門などを練り歩く。JR山手線で日比谷公園に向かい、ピザを食べながらピクニックも。最後は東京駅周辺で集合し、通称ウォーリーダンスと呼ばれるオリジナルダンスを踊る。実際のウォーリーと同様、1人だけ「茶色の靴」「黒の双眼鏡」「茶色のステッキ」を身に付けた本物のウォーリーが混じっており、見つけるとウォーリーからプレゼントをもらえる仕組みとなっている。

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