弊社で実施した独自調査の結果から、今年のマーケティングトレンドを探るコラムシリーズ。前回第1回では、2017年マーケターの方が注目する施策と、その施策を進める際の注意点をお伝えしました。第2回の今回はマーケティングオートメーションツール(以下MAツール)導入に焦点を当て、MAツール導入状況と、課題を探っていきます。
2017年2月、当社として初めて、マーケティングテクノロジーが一堂に会する「マーケティング・テクノロジーフェア2017」に出展しました。会場にてお客様とお話した中で印象に残ったのが、「MAツールを導入したのですが、どう活用すればいいのでしょうか?」という相談が多かったことです。MAツールという最新の武器を手に入れながらも、マーケターの方々はそれを活用する段になって、思わぬ「落とし穴」にはまってしまっているようでした。MAツール活用を阻む落とし穴とは一体何なのでしょうか。
展示会に先駆けて実施した独自調査の結果から、「MAツールが解決できる課題」と「MAツールの適用範囲」という2つのキーワードが浮かび上がってきました。
MAツールが解決できる“課題”を見極める
マーケターの皆様は既にご認識の通り、MAツールは、仕組みでありシステムです。何らかのシステムを導入するときには、そのシステムでしか解決できない課題があり、その解決法として導入されることが一般的です。では、MAツールは、どんな課題を解決してくれるのでしょうか。
マーケティング活動における課題を尋ねたところ、MAツール導入済みと回答した人は未導入と回答した人に比べて、「予算不足」「人員不足」が課題であると回答する割合が、非常に少なくなっていました(図1)。このことから、MAツールを予算・人員不足の解消という目的で導入した場合、これらの課題は解消する可能性が大きいでしょう。
一方、MAツール導入後も残り続けていて、かつ課題とする比率が増えた項目には、「コンテンツの品質」や「ROIの向上」、「ターゲット設定」が挙がりました。これらは、MAツールを導入しただけでは解消できない課題と言えるでしょう。特に「ROIの向上」と「ROIの可視化」を比べた場合、「ROIの向上」の方が課題として残る傾向が見て取れます。MAツールの導入によりある程度可視化はできても、向上までは難しいということかもしれません。