今後のサイト運営の方向性を決めるために、ログ解析はWeb担当者に欠かせないスキルです。PV数、訪問回数、ユーニークユーザー数、直帰率・・・、自社サイトのPDCAサイクルを回すためにどの項目を指標としてレポート、分析すべきかは、Web担当者になって最初に直面する課題の一つでしょう。目標に対し施策を立て、施策の結果から次のアクションを考える、言葉にするとシンプルですがWeb担当者はこのPDCAサイクルを回すために日々奮闘しています。

 現状把握と、全体の傾向を見るために月別や日別でPV数、コンバーション数などを定期的にレポートしている方は多いのではないでしょうか。こうした全体を見る「マクロ解析」はサイトの方向性を決めるために必要不可欠です。しかしサイトをマーケティング活用したければ、「個」を見る「ミクロ解析」なしには営業につなげることができません。今回はミクロ解析で、リアルの営業チャンスにつなげた事例をご紹介します。

カギは企業単位のアクセスの分析

[画像のクリックで拡大表示]

 『WHO IS』から企業名を割り出すログ解析ツールを利用していた、BtoBサイトWeb担当者の事例です。『WHO IS』は、日本レジストリサービスが提供するドメイン名登録情報検索サービスです。

 その担当者は、日別で企業単位のアクセス状況を見ていたところ、特定の日付から数日間A社からのアクセスが集中していることに気づきました。アクセスが集中していたのは商材Bの新情報に関するページです。A社は商材Bのターゲット企業でしたが数年前に購入して以来、近年は購入に至っていません。

 リンク元を見ると、A社内の社員専用ページからのアクセスのようです。さらに、商材Bに関するほか関連ページを見たところコンスタントにA社からアクセスがあることも確認できました。

 アクセスが集中した新情報のページは社内インフラなどでリンクされおり、現時点でA社の商材Bへの興味関心は高いということは容易に予想できます。またアクセスが集中した週から日も浅い今なら、営業のチャンスがあるのではいかと、Webサイトの担当者は考えました。

 そこで、このデータをまとめ営業担当部門に連絡、A社への営業を打診しました。他情報も踏まえ、さっそくアポイントメントを入れたところ、商談につながり、すぐに見積り依頼を受けたということです。

この先は日経クロステック Active会員の登録が必要です

日経クロステック Activeは、IT/製造/建設各分野にかかわる企業向け製品・サービスについて、選択や導入を支援する情報サイトです。製品・サービス情報、導入事例などのコンテンツを多数掲載しています。初めてご覧になる際には、会員登録(無料)をお願いいたします。