離れた場所で共同作業を行うための「Web会議システム」や「テレビ会議システム」。オフィスのパソコンや手元のスマートフォンを活用するタイプが増え、手軽に導入できる選択肢が広がっている。単に相手の顔を見ながら会議をする用途にとどまらず、資料や図面を共有して共同作業をしたり、ファイル共有で遠隔プレゼンテーションをしたりすることにも使われ始めた。日常の業務に取り入れれば、ビジネスを加速する新しいコミュニケーションツールになる可能性を秘めている。

 遠隔地でフェーストゥフェースのコミュニケーションを実現するテレビ会議システムは、出張費削減といったコスト効果を訴求して、古くから提供され、一部で導入が進んできた。しかし、以前は専用の回線が必要であったり、システムのハードウエアも高額なものだったりしたため、広く一般に普及してきたとは言いがたい。

 ところが近年では、インターネットの高速化やパソコンなどのハードウエアの高性能化が進み、ビデオコミュニケーションを実現するためのコスト面でのハードルが低くなってきた。さらに、遠隔地と共同作業を進めたり、スマートフォンやタブレットなどの端末から会議に参加したりできるようになり、ビジネスのコミュニケーションとして活用できる範囲が広がっている。

パソコンベースで導入しやすくなったWeb会議/テレビ会議

 ビデオコミュニケーションを実現するためのシステムやサービスは、バリエーションが増加し、確実に自由度が高まっている。導入が手軽なものから順に分類して特徴を見ていこう。最も手軽に相手の映像を見ながら会話をすることが可能なのは、パソコンやスマートフォンで利用できる「ビデオチャット」だろう。一方で、遅延が大きかったり映像が安定しなかったりすることが多いほかセキュリティ面の不安も残り、ビジネス用途には向かない。

 次に手軽に使えるのが、パソコンのブラウザーをベースにしてビデオコミュニケーションを実現する「Web会議」。専用のサービスとして提供されているため、映像や音声の品質が高く、パソコンファイルなどの資料を共有して共同作業を行うことも可能だ。

 より高い品質の映像や音声を求めるならば、「テレビ会議」が候補になる。従来から専用のハードウエアを使って会議室に設置する製品もあるが、現在ではハードウエアとしてはパソコンを用いて専用ソフトで高い品質と高機能を実現している製品も多い。コスト面や設置する場所などの制約が少ないことなどから、パソコン利用のテレビ会議は従来のテレビ会議よりも幅広い使い方がある。

 さらにクオリティーを追求すると「テレプレゼンス」といったシステムもある。高精細で大型のディスプレイを備え、あたかも同じ部屋で会議をしているような臨場感を演出するシステムだ。クオリティーは高いがコストや設置環境に制約があり、導入可能な企業は限られる。

 こうして見ると、多くの企業が導入可能で、ビジネスのワークスタイル変革につながるビデオコミュニケーションの選択肢としては「Web会議」「テレビ会議」が適していることがわかる。低コストで場所を取らずに、これまでと異なるコミュニケーションや共同作業の形を手に入れられるのだ。

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