近年、企業のマーケティング活動に動画をはじめとするコンテンツを応用する動きが進んでいる。その最先端の動きを解説するため、ITproに連載していた「SNSと企業の一歩進んだ付き合い方講座」のバックナンバーから記事を抜粋した。コンテンツを使う企業マーケティングの動向や日米の差異が見えてくるはずだ。



 ここ数年、「コンテンツマーケティング」という言葉が注目を集めている。このコンテンツマーケティングとは、実際に収益につながる消費者や顧客らに対して、その購買行動を促進させることを目的に、有益なコンテンツを制作・配信し、顧客獲得やエンゲージメントを作り出すためのマーケティング手法を指す。これまでは主にBtoCビジネスにおいて積極的に活用されてきた手法だが、最近ではBtoBビジネスを展開している企業のマーケティング活動にも取り入れられるようになってきた。

 英エコノミスト誌は2015年5月、BtoBビジネスにおけるコンテンツマーケティングの活用について、米マーケティング・リサーチ企業であるPeppercomm社と共同で実施した調査結果を発表した。この調査は主に欧米を中心とした企業の役員クラスに対して実施したものだが、その内容が特徴的だ。この調査結果は「コンテンツマーケティング実施動向」と「コンテンツマーケティングがビジネス上の意思決定に及ぼす影響」の2つのテーマで構成している。つまり、ちょうど作り手と読み手、それぞれの視点からBtoBビジネスにおけるコンテンツマーケティングの現状が感じられるような内容になっている。

 この調査結果を読み解いていくと、コンテンツの作り手として「伝えたい内容」と、読み手として「必要としている情報」が、必ずしも一致してはいないことがよく分かる。実際、この調査では「コンテンツマーケティングの一環として提供しているコンテンツ」が、ブログ記事からPR連動型のキャンペーン、そして動画やインフォグラフィックまで、実に多種多様にわたっているが、これらはいずれも「効果をもたらした」という実感をあまり持たれていない。むしろ最終的に「効果をもたらした」と考えられているのが「カンファレンスなど大規模な会議・会合」という、半ば皮肉な結果となってしまっている。

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