事例こそ最強のBtoBマーケティングである

最終回:法人向け製品の導入メリットを「実利面」と「感情面」で整理する

2017/12/25 村中 明彦=カスタマワイズ

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 高品質の事例を制作するために重要なことは何でしょうか。引き出すインタビュー力?読ませるライティング力?つかむキャッチコピー力?もちろんどれも重要です。

 しかし注意すべきは、これらが「設計」と「実装」でいうところの「実装」の技術に当たるということ。ソフトウエア開発でいえば、プログラマーの技術に属するということです。

 そしてソフトウエア開発にせよ事例制作にせよ、いうまでもなく設計は重要です。設計の手法について詳しく記すと本1冊の分量になってしまうので、その一例として、「事前に商品の導入メリット(動機)」を予測するための考え方を紹介しましょう。

 事例は、顧客視点で「商品の導入メリット」を書く場といえます。そこで商品の導入メリットについて分類してみます。

実利面の購買動機を考えてみる

 法人が商品やサービスを導入するときには、何らかのメリットやベネフィット、御利益(ごりやく)を求めています。そのメリットは究極のところ「利益増」という一語に集約できます。

 「いや、我々は利益ではなく社会貢献のために活動している」と異論を持つ企業があるかもしれません。そこで本稿では企業を「利益を追求する団体」と定義することにしましょう。そうすれば、企業の活動目的は定義から逆算して「利益増」だけになります。

 この「利益増」を要素分解すると、「売り上げ増」「コスト減」「リスク軽減」の三つになります。利益とは「売り上げ-コスト」なので、売り上げ増とコスト減は当然、要素になります。

 三つめのリスク軽減は、財務諸表的には「特別損失の軽減」と表現できます。これを実現する商品の代表例としてはセキュリティや保険が挙げられます。

 あなたの商品がソフトウエアであろうとハードウエアであろうとコンサルティングであろうと、それが何であっても法人向け商品である以上、その導入メリットはこの3要素のどれかに分類できます。

 商品によっては、導入メリットが2要素、あるいは3要素全てにまたがることもあります。

 例えばサーバー基盤の仮想化は、物理サーバー台数の低減やTCO(Total Cost of Ownership)削減という観点で見れば、その効果は「コスト減」です。ただし新規事業を始めるときにスピーディーにサーバーを増設できる、つまりインフラが事業拡大の足を引っ張らないようにしておくという観点でいえば「売り上げ増」となります。

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