事例のビジュアルの中心はお客様の写真です。以前の記事でも写真の撮り方について触れましたが、今回は別の視点から「お客様写真を上手に撮るためのコツ」についてお話しします。
写真を撮られるのは誰もが苦手?
「写真を撮られるのは苦手」という人は少なくありません。実は筆者もそうです。
撮影となると、その場に直立させられる。目玉のようなカメラのレンズがこちらを見ている。緊張する。笑顔を浮かべようとしても口もとがこわばる。するとそれがカメラマンにバレて、もっと自然に笑ってくださいなどと無茶な注文をしてくる――。正直、苦痛に満ちた時間です。
写真を撮られるのは誰だって嫌なもの。この前提に立って取るべき行動はただ一つ。撮影はできるだけテキパキ早く終わらせ、被写体の苦痛の時間を短くすることです。「撮影はとにかく短く」と覚えてください。
声かけが苦痛を減らす
写真を撮られることを苦痛に感じる人のためにもう一つできるアクションが、声をかけ続けることです。黙って無言のまま連写のシャッター音だけが響く時間は苦痛です。話題は何でもいいので話しかけ、被写体の緊張を解き、苦痛を軽減するように努めます。
あなたが黙ると相手は緊張して固くなります。撮影中は切れ目なく話しかけ続けることが重要です。これが相手の緊張を解き、リラックスした表情を引き出す基本です。
テレビドラマでよくある、カメラマンがモデルに向かって「いいねー、その表情、もう最高!」など声をかけ続けるあのシーン。傍で見ていると白々しいように見えますが、やはり合理性があります。
もちろん法人事例の取材の場で軽薄な声かけをする必要がありませんが、とにかく黙ってはいけません。何らかの声かけをするべきです。
「声かけが相手の苦痛を減らす」と覚えてください。
「うーん、表情硬いですね」は最悪の声かけ
プロカメラマンはモデルを撮るとき、バシャバシャ撮ったあと「今日の撮影は終わりです」「とっても良い写真が撮れました」と言ってモデルがふっと気を抜いてリラックスした後もシャッターを押し続け自然な表情を撮るそうです。こうした不意打ち撮影は法人向け事例撮影であまり使える方法ではありませんが、考え方は参考になります。