前回まで、企業が情報発信する場合にユーザー事例が最も優秀と考える七つの理由のうち、1.コンテンツの作り続けやすさと、2.一次情報なので内容の信憑性を担保できるという点を述べました。今回は「マーケティングオートメーションとユーザー事例の関係」シリーズの最終回として、3.~7.について解説していきます。
理由3.「売りにつながる具体性がある」
情報発信を最終的に自社製品の販売につなげるなら、どこかで「具体性」が必要になります。
シリーズの2回目にコンテンツマーケティングの模範例として、「ガス会社によるガスを使った料理教室」と「新素材の会社による用途提案コンテンツ」を紹介しました。これらは、どちらも「料理が作れる」「その素材で何かが作れる」というように、内容が具体的でした。
具体的な内容は、その後にある自社製品の販売につなげやすくなります。「だから奥様、ガスを導入しましょう」「だからみなさん、この新素材を使いましょう」というように売りたいものを明朗に主張できます。
これに対して「3分で分かる○○」(基礎知識コンテンツ)や「○○最前線」(最新情報コンテンツ)、「新人OL○子の○○体験記」(啓蒙エンタメコンテンツ)は、結局のところ一般論的な情報提供であり、具体性に欠けてしまいます。そういう曖昧な情報から自社製品の販売に顧客を誘引するのは難しいといえます。
ユーザー事例は「顧客による製品体験記」なので、内容に具体性があります。「この製品を使ってこのように成功したお客様がいます」というストーリーがあるので、「だからみなさんもどうですか」というように、明確に自社製品の販売につなげられます。
理由4.「自社製品が主役のコンテンツである」
「3分で分かる○○」「○○最前線」「新人OL○子の○○体験記」などが販促物として弱いもう一つの理由は、「結局は一般の話だから。自社製品の話でないから」ということがあります。