前回は、情報発信パターンの8番目「なぜユーザー事例に発信コンテンツとして優位性があるのか」について書きました。事例が「一次情報なので内容の信憑性を担保できる」という特徴を持つことを説明し、「発信するコンテンツの責任の在り処を明らかにするために、社内の技術部にインタビューして原稿を書けばよいが、技術部はそういう仕事には協力したがらない」というところまで説明しました。

技術部がコンテンツ制作に協力したがらない本音

 私は社会人のある時期、プログラマでした。こうした事情から、技術部の考え方や気持ちは多少分かるつもりです。

 正直に言うと、技術部の担当者としては顧客向け情報発信コンテンツ作成を手伝うような仕事に関わりたくはありません。その理由を一言にすると「マーケはラクするな。俺たちは忙しいんだ」となります。

 これだけでは説明が乱暴すぎるので、以下で丁寧に本音を説明します。

本音1. 【技術部は面白い話はできない】
「技術者なので、見込み客が喜ぶ面白い話というものが分からない。そもそも自分は技術者なので話すのが苦手だ(だから技術者になったんだ)」

本音2. 【本当に面白い話はマニアックすぎる】
「技術者としては正直、表面的な話よりも、本質的かつ抽象的で、専門的な話の方が面白い。しかし一般の人はそういった話に興味を持たないと思う」

本音3. 【丸投げされるのがいや】
「前に情報コンテンツの取材を受けたことがあるが、ライターから『ちょっと話が難しすぎます』『もう少し分かりやすく』『別の話題はありませんか』などと言われて、面倒くさい思いをした。自分は技術者なので話のネタはそっちで考えてほしい」

本音4. 【面白い話と営業秘密の境界が曖昧】
「面白い話や最新の話は、えてして開発中の製品の機密情報だったりするので、おおっぴらに話にできない。どこから秘密情報でどこからそうでないのか境界も曖昧」

本音5. 【責任を取らされるのがいや】
「話の内容の技術的な正しさとか、機密情報に触れないというところは、結局マーケ部門はじゃて技術部が責任持つことになる。めんどうくさい、いやだ」

本音6. 【技術は分かるが『最新情報』は知らない】
「技術者は自分の担当の開発・製作が仕事であり、広範囲に最新情報を追いかける必要は実はない。物作りはできても最新情報は知らない」

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